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よくある質問

テフロンコーティングとフッ素コーティングは違うの?

もともと、フッ素は軍事産業の開発工程で発見されたました

発見当時に米国デュポン社が製品化したものが「テフロン」です

このフッ素を含む合成樹脂の総称をフッ素樹脂と呼び、以下の様な特徴を有します

 

①化学薬品に対する耐腐食性能が良好

⇒各種薬品や腐食性ガスなどの環境でも素材の浸食を抑止することができます

②電気絶縁性が高い

⇒コーティング膜は絶縁被膜となり通電しません

③表面の摩擦係数が低く、非粘着性能も有する

⇒氷の表面と同等以下くらい滑りますし、高粘度の物質もひっつき難くなります

④高温にも安定で不燃性

⇒コーティングの種類によりますが、概ね260℃の高温にも耐える事が出来ます

 

これらの性質を利用して産業機材や設備機械、医療機器、半導体、食品・性格関連、電気製品等、日常の様々な場面で利用されています

 

またフッ素の合成・共重合体の状態により、完全フッ素化樹脂や部分完全フッ素化樹脂などの分類が有り、それぞれに特徴があります

PTFE(四フッ素化樹脂)

PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)

FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)

ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)

 

これらを利用して様々な製品が世の中にあるのですが、一般的にこれらの「フッ素樹脂製品」の事をフッ素と呼びますし「テフロン」はデュポン社の製品名称になるのです

テフロンコーティングの種類は?

テフロンコーティングやセラミックコーティング、ウレタンコーティング(PUコーティング)と言っても使用する材料によって性能や加工性が違ってきます

 

テフロンコーティングは大きくPTFEPFAFEPETFE等に分類され

それぞれ、非粘着性・はっ水性・耐熱温度・加工膜厚などに差が有ります

素材の形状、大きさ、使用環境等によりこれらのコーティング材料を選定してコーティングを行います

 

セラミックコーティングは、テフロンコーティングよりも耐熱温度が高く表面硬度が固いのが特徴ですが、衝撃には弱いと言われています

近年この問題を解決してフライパンなどで採用されており、非常に身近になってきています

また、屋外での耐候性や撥水性等にもよく利用されています

 

ウレタンコーティング(PUコート)は滑り止め耐クッション性に優れて、様々な産業機材や部品に使用されています(パーツフィーダーの例)

製品の傷防止やスリップ防止などの場面で利用されています

どうやってコーティングするのか?

①事前準備

お客様から御相談を受け、希望される性能(非粘着性・離型性・耐熱性・撥水性など)と図面や実物を確認して加工性を考慮してコーティングの種類を選定します

材質や形状、コーティング種類を考慮しコストや納期・仕上がり具合を打合せさせて頂きます

 

②前処理工程

お客様から素材をお預りしたら、脱脂・空焼・洗浄などで素材の油分やゴミを除去します

その後、サンドブラストやエッチングにより表面を粗面化します

左は空焼き、脱脂の状態です   ⇒   ブラスト処理後はこうなります

コーティング前のブラスト加工参考図

空焼やブラスト処理で変形・ひずみが出る素材もありますので、材質や形状で前処理工程を変更する場合もあります

 

③塗装工程

コーティング材料を素材にコーティングしていきます

1コートの物はコーティングして乾燥⇒焼付の工程へ進みます

ブラスト後にコーティング参考画像

2コートや耐蝕性の厚膜コーティングは下塗・中塗・上塗毎に乾燥・焼付⇒冷却⇒コーティング

を繰り返して塗り重ねていきます

厚膜仕様はコーティング回数が多くなり加工数が増えるので難易度が高くなります

 

 

④検・出荷

ノギス・膜圧計を使用して膜圧や塗膜上の異物など検査を行います

問題がなければ、運送業者や自社便にて納入させて頂きます

コーティングの非粘着性について

テフロンコーティングにも、種類があって其々の特性も微妙に違います(基本的な特性などはこちらを参照ください)

 

ここでは実際に良く聞かれる使い方を想定して、簡単な比較を行ってみたいと思います

 

非粘着性を想定して「強力テープ」を引きはがす際に必要な力を計測してみました

(コニシボンドWF702 W20*L30貼り付け 剥がす際のkg計測)

 

仕様 種類 kg 評価
SUS板   1.89 ×剥がれ難い
E511 PTFE 0.46 △少し力が要
F716 PTFE 0.27 ○剥がれ易い
F757 PTFE 0.21 ○剥がれ易い
F726 PFA 0.29 ○剥がれ易い

コーティングできる大きさは

テフロン コーティング は非粘着性や耐熱性が高くて非常に優秀なコーティングですが

耐熱性が高い=焼付・溶融にも高温が必要になり、コーティングする際には焼付乾燥炉で加工を行います

 

この乾燥炉の大きさが概ね 広さ1000*高さ1000*奥行1000 ですので、このサイズに入るものであれば加工出来ます(厳密にはもう少し大きくても加工可能です)

 

大きさ的に入らなくても、冶具やもっと大型炉を使って加工する事もできますし、焼付温度の低いタイプのコーティングを使用すれば乾燥炉に入れなくても加工出来ます

お問い合わせの際に大きさや形状をお知らせいただけると、加工可否の判断がしやすくなります

 

難加工や特殊素材のテフロンコーティング、試作等、ぜひコーテックに御問い合わせください

お急ぎの場合はTEL072-289-7182まで

ガラスにもコーティングできるの?

ガラスにもテフロンコーティングは可能です (左は素材・右はコーティング後です)

耐薬品性や非粘着性、耐熱性の性能もあり、飛散防止の効果もあります

(飛散防止の例⇒ガラスの飛散防止サンプル)

 

写真はガラス製のビーカーで、飛散防止と非粘着が目的です

透明性が必要な装飾用ガラスなどにも御利用頂けます

(装飾用ガラスの例⇒シャンデリアサンプル)

 

薄い素材へのコーティングについて

一般的な金属製品であれば問題なくテフロンコーティングが出来るのですが

素材の厚みが薄い製品加熱すると変形しやすい(やわらかい)製品は注意が必要です

写真はアルミ板厚2.0㎜と0.5㎜の歪を比較したものです

銅やSUSでも0.5㎜位の厚みだと、ブラスト処理や焼付時の温度で歪み・変形の可能性が大きいです

とくに、キャンプ用品等は軽量性が重視されるので薄いアルミ製品が多いと思いますので、加工前に材質や厚みなどをお知らせ頂けると適切なアドバイスをさせていただけます

 

→テフロンコーティング・試作や適切なアドバイス コーテック にお問い合わせください←

 

接着剤など「ひっつけたくない」「剥がしやすくしたい」

非粘着効果やすべり性等、コーティングすると色々な効果が期待できます

とあるお客様から「接着剤を使うけど、硬化すると取れなくなる。剥がしやすくしたい」

との御要望で、簡単なテストを行いました

 

接着剤は強力な「2液混合のエポキシ樹脂接着剤」を使用してFEP系コーティングのテストピースに塗布して乾燥させました(写真左)

乾燥後にガムテープで「剥がしやすさ」=「非粘着性」を確認しました(写真右)

写真の様に、コーティングしていればガムテープなどで簡単に剥がすことが出来ます

 

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